業務用天板はなぜ“裏加工なし”なのか?

プロが使う業務用家具の選び方

「裏加工なし」がプロ仕様の証。業務用天板の設計意図と現場での利点

業務用のテーブル天板は、あえて裏側に取り付け金具を付けずに納品されます。 これは「未加工で不便」ではなく、現場でどんな脚にも対応できる “汎用性”を優先した業務用ならではの設計です。 本記事ではその理由と、現場での取り付け注意点・おすすめの脚タイプまでまとめます。

1. なぜ業務用天板は「裏加工なし」で納品されるのか?

店舗や施設のレイアウトは、現場ごとに異なります。目安としての天板のサイズは規格品として用意はありますが、動線を考えたときに規格サイズではない場合は造作として天板を自由なサイズで作ることも一般的です。
現場の施工条件や設計者の意図によって変わることもあるため、
工場段階で一律の加工をしてしまうと現場対応力が下がります。

そのため、業務用では“どんな脚にも対応できる素の天板”として納品し、取り付けは現場で行うことが主流です。これにより、設計変更や脚交換の柔軟性が担保されます。

2. 裏加工あり・なしの違い(家庭用との比較)

家庭用家具は完成品としての美しさや即納性を重視するため、工場段階で脚や金具を取り付けた状態で出荷されることもあります。一方、業務用はメンテ・交換・現地調整が前提のため、あえて裏加工を行わない設計が採用されます。

  • 家庭用:完成品(裏加工あり)=現場での手間が少ない
  • 業務用:未加工(裏加工なし)=現場での自由度・修正性が高い

3. どんな脚が取り付けできるのか?(代表例と特徴)

代表的な脚タイプ

  • スチール脚:重い天板や長尺天板に向く。
    床の仕様によってはアンカーボルトで強固にする場合もあり。

  • X脚:モダンで安定性が高く移動が楽。
  • 調節脚(アジャスター付き):床の凹凸がある現場に適応するように
    ほとんどの脚裏にはアジャスターがついています。

4. 現場での取り付け時に注意するポイント

  1. 下穴を必ずあける:取付作業がスムーズになります。
  2. 芯材の確認:ビスの長さは天板の厚みを確認しましょう。
  3. 位置決め:対角線をひいて中心位置をだしてから受け板を置いてください。
  4. ビスは仮止めしてから固定:ビスは一つずつ最後まで締め切るより仮止めをした状態から固定するとやり直しせずにすみます。

5. よくある質問(FAQ)

Q. 裏加工なしだと強度は大丈夫?
A. ベタ芯といって集成材チップが全面にある仕様での天板になるので
どこでもビスで止めることができます。そのかわり重くなります。
Q. 施工業者がいない場合は?
A. 取付マニュアルや推奨ビス長をご案内します。
弊社で用意しているテーブル脚組立と天板取付のマニュアルをご確認ください。
Q. 汎用性が高い脚は?
A. スチール丸パイプ脚がおすすめです。団体脚などテーブルを移動することも想定されます。その際は4本脚より1本脚のほうが利用者の脚の可動分が確保されるからです。

まとめ:裏加工なしは “可能性” を残す設計

裏加工なしの天板は「未完成」ではなく、現場で最適な形に仕上げるための“選択”です。自由度と改修性を考えると、業務用ではむしろ合理的な設計です。

購入前に天板の厚み・芯材・用途(屋内/屋外・重量)を確認して、最適な脚を選びましょう。

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