飲食店経営に欠かせない客単価と回転率とは
飲食店の長期的な経営の成功には、客単価と回転率のバランスが非常に重要です。
これらは、売り上げ目標を達成し、安定した利益を生むための基本的な指標となるからです。
目次
①「目標とする売り上げに対して客単価が適当か」
②「回転率を確保できる客席づくりができるか」
③「店舗のコンセプトに客単価があっているか」
客単価・回転率の適切な設定方法について解説します。
1. 目標とする売り上げに対して客単価が適当か
まず最初に、目標とする売り上げと客単価が適切にリンクしているかを確認する必要があります。
客単価が適切でなければ、
どんなに多くの集客をしても売り上げ目標には達しません。
売上高の算出方法はシンプルです。
売上高 = 客単価 × 客数
例えば、月の売り上げ目標が100万円の場合、
1日の客数を仮に100人とすると、
必要な客単価は約3,300円となります。
これが実際のメニュー価格や
提供するサービス内容と合っているかを見直します。
2. 回転率を確保できる客席づくり
次に、客単価が高くても、回転率が低ければ効率的な売上にはつながりません。店舗の規模やコンセプトに応じた回転率の目標を設定し、
客席のレイアウトやサービスのスピードもこれに合わせて調整する必要があります。
回転率を上げるためのポイント:
▶座席数と空間のバランス:
多くの席数を確保することができても、
狭苦しい空間ではお客さんの居心地が悪くなります。
かといってリラックスしすぎる空間では滞在時間が長くなり回転率が下がります。
適度に緊張感のある空間の確保が大切です。
▶メニューの効率化:
提供するメニューが複雑すぎると、
調理時間がかかり、回転率が下がります。
シンプルでスピーディーなメニュー構成を心がけましょう。
▶スタッフの動線改善:
スタッフがスムーズに動ける配置にすることで、
提供速度が上がり、回転率の向上が見込まれます。
3. 店舗のコンセプトに客単価があっているか
最後に、店舗のコンセプトが客単価と一致しているかを確認します。高級志向のレストランであれば、高い客単価でも顧客が納得しますが、
カジュアルなカフェやファミリー向けではあまりに
高い価格を設定すると、顧客満足度が下がり、リピート率に影響します。
客単価とコンセプトの整合性のポイント
▶ターゲット顧客の明確化:
ターゲット層に合った価格設定をすることが重要です。
ファミリー向けなら、手頃な価格帯が重視され、
ビジネスマン向けなら高品質な料理やサービスに見合う価格設定が求められます。
▶内装と価格の一致:
店舗の雰囲気や内装が価格に見合っているかも重要な要素です。
カジュアルな店舗であれば単価は低めがよく
高級感のある空間にふさわしい価格帯を設定しましょう。
顧客がなぜこのお店にはいってどんな体験をしたいのか
しっかりシミュレーションをしておくことでより
具体的な設定が可能になります。
まとめ
客単価と回転率は、店舗経営の成功に欠かせない要素です。
売り上げ目標に応じて客単価を設定し、
それに見合った回転率を確保することで、
安定した収益を上げることができます。
また、店舗のコンセプトやターゲット層に合った価格設定を行うことで、
顧客満足度とリピート率を高めることが可能です。
店舗の経営方針や目標に基づいて、
バランスの取れた戦略を立てましょう。
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※参考文献
建築知識2月号 世界一美しい小さな飲食店の作り方
2022年2月1日発行 第64巻 第2号 通巻807号